記事を読んでいただきありがとうございます!
わたしは、約2年前から訪問看護ステーションで作業療法士として働いています。その前は5年間、回復期病院に勤めていました。両方で働いたなかで、気がついた違いについて書いていきます。
\この記事を読んでわかること/
- 給料面
- 対象疾患
- 業務内容
- 学習環境
回復期、訪問看護で働いてみた違いについて
就職に迷う学生さん、転職を考えている人たちの参考になれば幸いです!

お給料の話
訪問看護の方が一般的にはいい
転職サイトをざっと見てみると、東海地方では
病院 | 訪問看護 | |
月給 | 20万前後 | 25万前後 |
訪問看護の方が月給は高い印象です。
- インセンティブ制度(何件以上でプラス)
- ステーション運営にかかるコストが低い
- お客様単価が高い
ことが要因にあがります。
実際のところ
しかし、わたしは訪問看護にきて
年収は福沢諭吉50人分ほど減ってしまいました…
元々、給与待遇が公務員に準ずる病院で働いていました。家賃補助・交通費支給などの福利厚生も充実していたこと、基本給の差が賞与に影響しこのような状況になっています。
しかし、病院時代よりもプライベートの時間に余裕ができたため、ブログやSNSに力を注ぎ、本業1本だけでなく別の働き方を考えることができています。
対象疾患
回復期
状態 | ||
①脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、 クモ膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、 脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、 多発性硬化症、腕神経損傷等の発症若しくは 手術後又は義肢装着訓練を要する状態 | 発症後又は 手術後 2カ月以内 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、 重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む外部位外傷 | 180日 | |
②大腿骨、骨盤、脊椎、股関節 若しくは膝関節の骨折又は 二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後 | 90日 | |
③外科手術又は肺炎等の治療時の安静 により廃用症候群を有しており、手術後または発症後 | 90日 | |
④ 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節 若しくは膝関節の 神経、筋又は靭帯損傷後 | 損傷後 1か月以内 | 60日 |
⑤股関節又は膝関節の置換術後 | 90日 |
回復期病院では表のように対象疾患が決まっており、脳卒中や大腿骨頚部骨折の患者様が多いです。わたしが働いていた病院では作業療法士が不足していたため、主に①と③を担当させていただいていました。
訪問看護
介護保険、医療保険どちらも主治医が訪問看護・リハビリテーションの必要性を認めた場合利用できます。訪問看護指示書による医師の指示のもと、リハビリテーションを行います。
介護保険:
要介護1~5または要支援1~2の認定を受けた方
医療保険:
- 40歳未満:訪問看護の対象者
- 40歳以上65歳未満の方:「特定疾病」にかかっているが、要介護の認定を受けていない
- 65歳以上の方:要介護の認定を受けていない、もしくは要介護の認定を受けている方のうち「厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍など)」に該当する方
が対象となります。
回復期と違う点は
- 進行性疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)
- 小児
- 重症心身障害
- 精神疾患
など多種多様な疾患を担当することになります。とても勉強になりますが、転職直後は毎日必死でした。
さらに、介護保険利用者の中で、とくに要支援の方は生活が自立していることも多く、介護予防という視点を持った介入も必要になります。
働いている人の年代

回復期
1年目~4,5年目が最も多いです。4,5年目以降になると自分のスキルアップを考え、転職する人が多いように感じます。入職当初、同期は20人以上いました。5年目になったときには7人となっていましたが、新人のころから一緒に頑張ってきた同期は今でも大事な仲間です。
訪問看護
ある程度の経験が必要です。1人で訪問し、判断・対応が必要になる場面があること、対象疾患の幅が広いことなどがあるからです。現在、わたしが働いている訪問看護では経験年数3年以上が採用条件となっています。
業務内容

回復期 | 訪問看護 | |
休日 | シフト制 | 土日 |
療法士数 | 1フロア25人ほど | 10人以下 |
1日の担当対象者数 | 6~7人 | 5~6人 |
担当対象者数 | 5~6人 | 20~25人 |
介入時間 | 20分1単位 1日180分まで | 〇介護保険 20分1単位 週120分まで 〇医療保険 1日30分~90分 週3回まで (別表7,8を除く) |
特徴 | カンファレンス ミーティングが多い | 月末書類が多い |
回復期
1つ1つのの知識が深まっていきました。5~6人と少ない担当患者様と毎日60分密に関わることができるのが理由の1つ。更に、療法士の休みがバラバラのため、自分が休みの日に他の人が代行介入し、意見をもらえる制度が整っていたからです。
療法士の数が1フロア25人、4フロアで100人以上の病院であったため、人間関係に関しては大変な面もあり、業務上では細かなルールが制定されていました。
訪問看護
週1、2回で介入させていただくため、担当数が多くなります。それにより、月末や月初に作成する書類業務が多くなります。
さらに、幅広い知識と、細かなリスク管理が必要となります。1週間に1度しか訪問できない場合が多く、バイタル変化・浮腫など身体的なサイン、部屋の環境から生活状況や精神的な状況など、些細な変化に気が付くことが重要です。
現在は療法士は5~6人であり、30代前後の人が多くアットホームな環境です。
学習の環境~勉強会~

回復期
症例検討が週に1回、月に1回、他に有志での集まりなど、たくさん学ぶ機会がありました。外部の勉強会に参加しアウトプットする人もたくさんいました。大学を出た延長でリハビリテーションを学んでいる気分でした。
訪問看護
訪問先から直帰する方、家庭がある方も多くみえるので、なかなかみんなで集まることができません。プライベートの時間を優先できることはメリットですが、勉強に関しては自分で行っていく必要があります。
まとめ
給料は一般的には訪問看護の方が高い
回復期
- 毎日180分、リハビリを集中的に行うことができる
- 中枢疾患、下肢・体幹の整形疾患、廃用症候群が主
- 1年目から働いている人が多い
- 少ない担当者数で知識を深めることができる
- 勉強会も多く学ぶ機会が多い
訪問看護
- 介護保険:週1~2回、120分
- 医療保険:週3回、30~90分/回が限度
- 対象となる疾患の幅が広い
- ある程度経験を積んでから転職する人が多い
- 担当者数が多く書類が多い
- 勉強会は少なく自分のペースで働くことができる
回復期と生活期で働いてみて、作業療法士という資格でも働き方には違いをかなり感じました。自分が金銭面、勉強する環境、プライベート時間、何を優先したいか考えて、決めることが大切だと思います。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

今回も記事を読んでいただきありがとうございます!

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